112.化学物質過敏症 4回目のCSリフォーム

2010tamaya

2025年02月02日 12:33



13年間浜松市内にて、オーガニックの専門店のための店舗を借りていました。
去年2024年11月に退去して、12月からたま屋事務所に移転しました。
築25年の鉄骨3階建ての1階が「たま屋」の事務所です。

今回で1階は2回目となる化学物質過敏症(以下CS)のためのリフォーム工事をしました。
1回目のCSリフォーム工事は2014年です。
2014年は、天井と床と壁を化学物質過敏症対応が対応できる建材に変えました。

有害な建材と家具に囲まれた生活1.  2014年04月04日 ←クリックで開きます
有害な建材と家具に囲まれた生活2.  2014年04月05日 ←クリックで開きます

CSリフォーム工事の経験は正確には6回目ですが、個人的なCS症状に必要なリフォーム工事としては4回目になります。
店舗を2回リフォーム工事していますが、完璧なCSのためのリフォーム工事とはいえませんのでカウントしません。
3回目は、休日に電磁波から逃れるために住んでいる海の前のセカンドハウスのCSリフォーム工事は2019年。
4回目は、自宅2階は2020年にCSリフォーム工事しました。

↓自宅2階リフォーム工事
35.化学物質過敏症(CS)「生活環境5.」 ←クリックで開きます

↓海が前のセカンドハウス
15.化学物質過敏症(CS)「生活環境1.」←クリックで開きます
17.化学物質過敏症(CS)「生活環境2.」←クリックで開きます
18.化学物質過敏症(CS)「生活環境3.」←クリックで開きます
19.化学物質過敏症(CS)「生活環境4.」←クリックで開きます

2014年CSリフォーム工事後は、事務処理のある時にたまに利用する程度でしたが「壁に漆喰や珪藻土を使いたい、むき出しの鉄骨の一部と壁の一部から出ている化学物質を封鎖したい、棚は全て天竜杉の無垢材にしたい、電磁波対策のアースをとりたい」と10年間考えていました。

事務所仕様から店舗使用にする必要もありましたので、長年店舗の工事で協力をしてくれた職人さんやワンネス設計企画さんに相談して2024年11月末日から12月上旬にリフォーム工事をしました。
木材とコンパネ以外の、漆喰と化学物質を封止する建材はパハロカンパーナさんのオリジナルブランドを使いました。
パハロカンパーナのCS専用の建材は、はじめて利用しました。

セカンドハウスの漆喰+珪藻土の壁は嫌いではない匂いですが、独特の土石の香りが微量にあります。
しかしパハロカンパーナの漆喰はニオイがありません。
CSの人にとっては、この方が楽ですね。

10年前のリフォーム工事の時は、天井と壁の一部(おおよそ半分ほど)は化学物質をセラミックスで抑えたボートを使いました。
残りの壁はクレイという泥(天然材料で漆喰と同じ効果が)をボードの表面に直接塗った所の2種類の壁にしました。
どのような違いがあるか、検討するために2種類の方法を試しました。
結論としては、過ごせますが、どちらもイマイチでした。
他にもっといいものがあれば、次回はそうしたいという感じです。

梅雨時や乾燥の季節に気になる湿度を調整してくれる、自然素材の漆喰の方がよい、と思いました。
セカンドハウスの壁が漆喰が使われていて、そちらの方が快適だからです。

床は無垢材に落ちにくいオイルが塗られているので掃除が楽です。
2回目の店舗リフォーム工事で使った無垢材の床は変色して見た目がよくありませんが、こちらの方が気持ちが良かったです。
床は、比較したら無垢材のままでオイル無の方がよいですが、材料は良い木なのでそのままです。

10年前にむき出しの鉄骨と梁に塗る安全なペンキを探しましたが、その当時は見つからなかったので、鉄骨の部分は何も処理をしないでそのままにしました。

10年後の今回のリフォームでは、長年お世話になっているクレイを使う塗装会社の「(株)オサカベ」さんが室内鉄部に塗装する安全なペンキを探してくれました。
ペンキは梁と一部でている鉄骨部分だけですので面積は少ないです。
鉄部に塗るペンキは安全なものでも、広範囲の場合は無理か?と思います。
ペンキを塗装してから2ケ月経ちましたが、問題ありません。

↓リフォーム工事前の状態です







たま屋事務所をもっと快適な空気にするために、今回はパハロカンパーナの足立さんに電話・メール・FAXで相談しながら材料を選びました。
鉄部の半分以上と壁の一部は、ケミカル・バリアシートで覆ってから9mmボードを貼り、
スーパーかべクリーン(漆喰)を塗りました。

パハロカンパーナさんのCS材料で、壁に化学物質を封止するためのものとして「紙deサンド」があります。
はじめはこちらを検討していたのですが、試しに壁に貼りましたが、クレイ塗装壁の上に貼り付けることができませんでした。
そのため「ケミカル・バリアシート」にしました。

ケミカル・バリアシート(化学物質・ガス状物質を遮断する) ←クリックで開きます
紙deサンド(化学物質を封止する壁紙) ←クリックで開きます
スーパーかべクリーン(漆喰) ←クリックで開きます

これらの材料を使ってリフォーム工事をしてからおよそ2ケ月経ちましたが、以前気になっていた「室内に時々感じる粉っぽさ」は消えました。
あの粉っぽさは、鉄骨の鉄部の隙間から入る空気と鉄部から出てきたサビも一つの原因だったと思います。
今回の工事で鉄部隙間から空気が入る所はケミカル・バリアシートで封止しています。
また10年前のリフォーム工事の時に、壁にアルミなどで化学物質を封止していない所が半分ありましたので、それも一つの原因かもしれません。

↓壁や鉄部などにケミカル・バリアシートを貼りました





↓ケミカル・バリアシートの上に9mmボードを貼りました





↓9mmボードの上にスーパーかべクリーン(漆喰)を塗りました







1回目のリフォーム工事でも軽度CSの人には問題がない空間でしたが、今度のリフォーム工事でさらに空間がよくなりました。
販売業のため商品の陳列が一部ありますし、研究のための本棚の本も多く、狭い中にモノが多いので完璧な空間ではありませんが。
常連のCSの皆さん問題ない、とのとこです。

また今回のリフォーム工事を機に、不便のあった電気配線の工事もできたので室内が使いやすくなりました。
毎日生活する中で電磁波に弱い私にとっては、電気工事は深刻な問題です。
長年おせわになっている職人さんのお陰で、電磁波のアースもしっかりとお願いして良い空間ができました。

環境を整えるには、お金も時間もかかります。
そして化学物質と電磁波の自身の正しい知識を持つために勉強を続けることは大切です。
さらに、信頼できる職人さん達がいないと環境を整えることはできない、と痛感しました。

CSリフォーム工事は失敗してもクヨクヨしなくてよし、その学びで次は成功しますので。

大工さんも電気工事も塗装も、化学物質過敏症に理解を示してくれる人は少ないです。
これらの職人さんも需要と供給が成り立たず、プロの職人さんが不足している様子です。
CS環境を整えるには、CSを理解してくれて長くお付き合いのできる建築会社さんが必要ですね。

今回は、たま屋で工事する職人さん全員に長さ120mmのビニール合羽を必ず着用して頂きました。
衣類や髪についている合成洗剤などの化学物質を防ぐために協力をお願いしましたが、皆さん嫌がらずにビニール被ってくれました。
「香害」の資料一式も読んでくれました。
90mmと100mmのビニール合羽はよくありますが、長い方がよく120㎜がよかったです。

生活環境をCS対策で完璧にしても化学物質過敏症は治りませんが、化学物質の曝露は少なくなりますので体が楽になります。

化学物質過敏症を改善するには、まず食品をオーガニック100%に完璧にすることです。
CSに合う安全な食べ物を入れると、ダイレクトに効果がでます。
なかなか解ってもらえないのが、オーガニック専門の私の仕事で大変な部分ですが。
たま屋の指導でよくなられた方が増え続けているので、これから広がると思います。

CS住宅より、オーガニック100%生活の方がすぐに安くできます。
去年も寝たきり状態に近いお金がないCS重症者(電磁波反応もあり)2名を、たま屋指導で100%オーガニックやって頂いてガッチリ改善されました。

個人差がありますが、料理好きで元々が自然派志向の方ですとオーガニックの大切さがわかっているので改善が早く半年ほどでした。

お料理が苦手で自炊していなかった方は、間違った知識でCSを悪化させていました。
間違った知識を訂正して、自炊習慣からのため1年近くかかりましたが、今では私より元気です。
その方は、最近では「働きたい」という意欲まで出てきました。

二人とも、生活環境については安上がりな化学物質の封止をやってもらいました。
プラ製品や化学物質の出ている日用品を片付けてもらう、洗濯の方法、マイクロカプセルを防御する生活などなど・・。
一人は経済的にリフォーム工事ができないので、足立さんの材料を利用しながら自分でリフォームしてもらいます。
働く意欲が出てきた方は、これからCSのための新築住宅を計画中です。

たま屋のCSカタログ配送を隔週で利用される方には、マンツーマンでCS相談を受けながら配送しています。
ニセモノのオーガニックが氾濫しているので、個人で本物の安全な食品を手に入れるのは難しいです。
本気でCS改善されたい方は、まずは有料相談からお願いします。
相談、配送など←クリックで開きます

↓今回お世話になった所
パハロカンパーナCS住宅研究所 ←クリックで開きます
ONENESS 設計企画株式会社 ←クリックで開きます
(株)オサカベ ←クリックで開きます

4回目の本格的な化学物質過敏症のためのリフォーム工事は成功した、と言えます。
化学物質の影響で困っている環境を、10年間で4回計画的にリフォームしてきました。

数年経つと新しい問題がでてきますし、数年後には化学物質過敏症の人にとりよい建材が開発されてきます。
また自身の知識も周りや自分の失敗例から学ぶことで身についてきます。
CSリフォーム工事は1回で成功しなくても、慌てず焦らず、です。

一度に高額なリフォーム工事は施工しない方がよいです。
高額なCSリフォーム工事や新築をすすめる業者がいたらそれは怪しい。
CSをよくわかっていない業者か、わかっていても金儲け主義ではないでしょうか。

画像を撮り忘れていましたが、パハロカンパーナのオーガニックコットンのカーテンが手軽な価格でよかったです。
以前もっと厚手の高額なものを使っていましたが、カーテンはこのぐらいの薄さの方が適度に光が入って気に入りました。
オーガニックコットンカーテン ←クリックで開きます

今後も、パハロカンパーナの足立さんの化学物質過敏症専用の建材の開発に期待しています。
そして、化学物質に弱い人を差別しないで施工してくれる建築士さんが増えてほしい。
CSリフォームESリフォームに困っている方は、化学物質と電磁波の勉強を続けてもらいたいです。
化学物質が何か、基本がわかっていなければ専門家に質問はできません。

CS参考記事:
ブログ記事 化学物質過敏症1. ←クリックで開きます
ブログ記事 化学物質過敏症2. ←クリックで開きます


化学物質過敏症の原因と対策 [ 藤田 良美 ]


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