安全な塩の選び方2.

2010tamaya

2021年09月27日 05:02



塩を化学工業的な大量生産で国民に利用させた歴史に学ぶ、食の安全です。
いつも結論からですが「スーパーマーケットを利用してはいけない」。
ぼんやり生きていている場合ではありません。食の汚染は環境の汚染と同じで、塩も味噌も醤油も、その他の食品も知識を持って安全なものを選ばなくてはなりません。「現在の食の汚染状況」を学ばないと汚染された食品を食べ続けることになります。
誰もが賢いジャーナリストにならなくてはならない、環境と食の汚染を知らなくてはいけない時代です。
国内で安全を求めるのであれば「添加物・遺伝子組み換え・放射能汚染・農薬や化学肥料」を使わない自然食品店やオーガニック専門店を利用すること。
スーパーマーケットに行き自然食品を置いてください、と頼むのは食品の社会システムを知らない人です。販売されている自然食品店に行って買えばよいのです。小さな自然食品店を利用することにより、少数派のシェアが増えて多数派になれば「オーガニック専門のスーパーマーケット」に成長します。欧米のように、日本では東京都内のように「オーガニック専門のスーパーマーケット」が登場します。スーパーマーケットと自然食品のコンセプトは大きく違うので融合しないことを理解してほしいです。


※↑塩の製造会社に終了していない質問が1~2点あるため、数日後に一部図表が変わる可能性があります。

前回お伝えしたことは、
1971年~1997年までの26年間はイオン交換式(イオン膜)という化学工業的な作り方の塩を、全国民が使っていたこと。自然食品の関係者と消費者や学者の尽力により1997年に「塩専売法」が廃止されて、様々なミネラル豊富な自然海塩(伝統海塩)が売られるようになったということ。
もちろん今もスーパーマーケットの大量生産の食品には、大量生産で安価な「塩専売法」時代のイオン膜で作られた塩が使われていることを伝えました。

味噌と醤油も同じで、やはり20年ほど前から自然食品の関係者と消費者等により、昔のおいしく安全な作り方のものが販売されています。化学処理されない安全な材料と方法による味噌・醤油・塩は高くなりますが、利用者が増えれば価格は少しずつ下がることでしょう。

塩の採取と製造方法は、店主も理解をするのに何年もかかっています。解らないことは、自然海塩(伝統海塩)を製造している所に聞くこと。海塩では海の精(株)、岩塩では木曾路物産(株)。近くに小さな自然海塩を作っている所があったら、ボランティアさせてもらったらよく理解ができそうです。

塩の作り方
〇イオン膜(イオン交換膜法)/「塩専売法」時代の大量生産
水に溶けてイオン化しているナトリウムやカリウムや塩素などを電気的に透析して、海水などを濃縮する方法。
〇逆浸透膜
イオン膜とは全く原理が違う。圧力をかけて水を濾過する方法。水分子より大きいミネラルは膜を通過できずに、海水などから水が分離されて濃縮される。
〇溶解
天日塩や岩塩などの塩を、水や海水に溶かして濃い海水を得る方法。塩から塩を作る場合に特有な工程。岩塩だけを使いたい人は「溶解」の工程が入っている岩塩は避けることです。海水や水が入るからです。
〇天日
塩田で太陽熱や風力を利用して海水などを蒸発して濃縮する方法。最も昔から行われている製法です。
〇平釜
平たい釜と書きますが、形状にかかわらず密閉されていない釜を用いて、常圧で加熱蒸発する方法。
〇立釜
密封された蒸発缶を用いて、減圧または加圧状態で加熱蒸発する方法。真空、減圧、蒸発缶、加圧蒸発缶、とも言います。
〇噴霧乾燥
塩水を加熱した空気と一緒に噴射して乾燥させる方法。
〇加熱ドラム
塩水を加熱した円板または円筒のドラムに吹き付けて乾燥させる方法。
〇採掘
岩塩や湖塩をそのまま掘り出して、汚れた外側などを水で洗う方法。

塩の種類
自然海塩(伝統海塩)
「天日と平釜」。伝統がありミネラルバランスがよく、環境にやさしい方法です。「海の精」がこの方法で、「まろやかでおいしい」ということでお店では一番売れています。


海の精(株)

岩塩
日本にはない、環境汚染のない古代の塩。ヨーロッパは硬水(カルシウム・マグネシウム等のミネラルが豊富)のためミネラルを含まない岩塩でもよい。
しかし日本は軟水(ミネラルが少ない)ためミネラルが含まれる海水塩がよいそうです。
岩塩の層は図の通りで、ナトリウム塩の層を取り出しているのでミネラルを含みません。
また国により水や海水で溶かして再結晶したり、炭酸カルシウムなどの固結防止剤の添加物を使ったものがあります。海外で買ったものを使う場合は調べてからでないと、国により食用の塩の検査方法が違うの注意が必要です。


※岩塩の地層です。岩塩の辛さの理由が、この地層を見てよくわかります。

天日塩
工程でミネラルをほとんど失ってしまいます。

焼塩
高温焼成380度C~600度Cで湿気しにくくなる。

岩塩
日本にはない、環境汚染のない古代の塩。ヨーロッパは硬水(カルシウム・マグネシウム等のミネラルが豊富)のためミネラルを含まない岩塩でもよい。
しかし日本は軟水(ミネラルが少ない)ためミネラルが含まれる海水塩がよいそうです。

湖塩
日本にはない、環境汚染のない古代の塩。画像のように、塩がむき出しになっていますので世界の環境汚染による酸性雨や化学物質や自然界のゴミが入り込む可能性があります。
国によって成分は様々ですので、工程や特徴をよく調べてから利用します。


湖塩(モンゴル)

山塩(やまじお)
日本国内で海から離れた場所で湧き出る、塩の温泉水から作られている。海水塩よりまろやかでミネラル成分が豊か。太古の昔、岩盤にしみ込んだ塩分が地下深くから絞り出されている、という説がある。
「会津山塩」については、グリーンタフと呼ばれる地層に閉じ込められた太古の海水が、高温の地下水に溶け出して源泉になったもの。長い年月で、その海水成分は変質して、海水に比べ塩素イオンが少なく硫酸イオンが多い、特殊な泉質になった。この温泉水を煮詰めて作った山塩は、当然海水をじかに結晶化する海塩とは、風味がまったく違う、と説明されている。
調べたところ国内で4ケ所出てきましたが、温泉が多い日本ですのでまだあるのでは、と思います。山塩は、現在たま屋では扱っていませんが、取り扱いを検討中です。

会津の山塩
福島県耶麻郡。磐梯山のふもとに位置する大塩裏磐梯温泉の温泉水を煮詰めたもの。ルーツはいまから約1200年前。山塩づくりは江戸時代には隆盛を極めたが、その後の専売制度もあり、いったんは途絶える。しかし2005年に村おこしの一環として復活し2007年より本格的な再開。

鹿塩(かしお)温泉の山塩
長野県下伊那郡。本格的な山塩づくりが始まったのは明治中期から。一時中断、再開は1997年、いまも鹿塩温泉 湯元山塩館の手によりつくり続けられている。

駒ヶ岳温泉の山塩
山梨県北杜市。甲斐駒ヶ岳温泉 で温泉水を土鍋で煮詰めて作られている。かたくり温泉は、旧朝日村の地下1300メートルから湧き出し、塩分が濃いことで知られる。「白州・尾白の森名水公園べるが」にて体験教室で個々で作られている。

ゆどのの山塩
山形県鶴岡市熊出。熊出温泉のお湯を4日釜炊きして濃縮した山塩。


製塩所で、煮詰めた温泉からすくい上げられる塩 2018年4/19(福島県北塩原村)産経ニュース


山塩製塩所 鹿塩(かしお)温泉の山塩 温泉から採れる幻の塩!?長野・鹿塩温泉「山塩館」


店主の場合は自分の味覚で使い分けています。
塩の工程を理解できるようになると、お料理によって使い分けることができるようになります。
普段のお料理にはミネラルが豊富でまろやかな海水塩を使っています。
岩塩は塩が強いので、辛さが必要な料理の時にたまに使います。
捨てる塩が出る調理、ぬか漬けやパスタをゆでる時は、手ごろな価格の天日塩。
たまに野菜をゆでる時は、岩塩や湖塩を使います。農作物は栄養が流れ出るのを避けて蒸すことが多く、蒸す時は海水塩を使います。たまに辛さを求める時は岩塩や湖塩を使っています。

店主は使い分けができるようになるまで何年もかかっていますから、塩の選び方は難しいです。
わからなくても意識にして使っているうちに、自然海塩である「海塩・岩塩・湖塩・天日塩」の4つの特徴が掴めるようになります。


ヒマヤラ岩塩 ピンクソルト

お店には、海水塩・岩塩・湖塩・天日塩を販売していますので、まずは試してみて自分自身の味覚で感じてもらえたらと思います。
もちろん大量生産の「塩専売法」時代のイオン膜(イオン交換膜法)はスーパーマーケットで大量に使われて売られているので、販売していません。自分の人生でも27年間ほど、国の法律で使わされていたので、残りの人生は自然海塩(伝統海塩)を使います。
海塩を主として、調理によって岩塩と湖塩を楽しんでいきたいです。
マイクロプラスチックの問題は、環境と食品の汚染の原因の部分です。
今後も、少しでも汚染を食い止めるために個人や企業に対して汚染の警告を続けることがたま屋の店主の仕事だと考えています。



マイクロプラスチックですが、2回に渡って図表や画像を入れながら塩の歴史と製造方法の案内により、理解した人は「プラスチックはほとんどの塩に入ってしまう」ことが解ったことと思います。
世界中の海の中にマイクロプラスチックあり、日常生活用品のプラスチックとフリース等の衣類に含まれるプラスチックは、常に埃となって空気中を漂っています。
化学物質に弱い人は埃に含まれる化学物質にも反応しているのですから、社会生活も日常生活にも汚染物質で囲まれているということ。

便利な生活を保障してきてくれた化学物質の全ては、安価で利便性のある大量生産と大量消費により生み出されたものですのですから、拒否しなければ逃れることはできません。

哺乳類の血液や羊水と同じ成分である海という神聖な場所に、工業廃水や化学物質のゴミを企業や個人が捨て続けた結果が海洋汚染です。
国と企業と個人が意識を変えて、100年以上前の不便な生活と食生活に戻らなければ、環境汚染は終わることはありません。
まずは身近な食の汚染から、大量生産と大量消費を代表するシステムのスーパーマーケットに行くことをやめてもらうことを切望しています。

※9/29(水)に、環境汚染による塩の問題等、その他、追記として『安全な塩の選び方3.』を夕方ごろにアップさせてもらいます。

参考:NPO法人日本食用塩研究会、海の精木曾路物産(株)食用塩校正取引協議会、他
食・カラダ・塩
マイクロプラスチック
安全な塩の選び方1.
安全な塩の選び方3.

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