3~4年ぶりの「塩」についての記事です。
安全なおいしい塩を知るには、「塩」の作り方を知ることが基本です。これがわかっていないと安全でおいしい塩とは何かを語ることはできません。「塩の原材料」→「製造行程」→「食べられる塩」には、多くの作り方があります。一番安く作る方法が、「イオン膜濃縮」で、専売公社の作る食塩です。自然食の世界で有名な「海の精」「キパワーソルト」という商品名は、手間がかかっているので安くはありません。この図を見ながら、文章を読んでいってもらうとわかりやすいと思います。
海水が元である、「海塩、岩塩、湖塩」様々な塩を食べる塩にするために店主が作成した図のように「濃縮、溶解」「結晶」という製造工程があります。2019年にグリンピースの研究者が世界の塩を調査したところ、ほとんどの塩にマイクロプラスチックが含まれていることがわかり、多くの人が「プラスチック汚染」が毎日使う身近な塩にあることにショックを受けたのは去年のことでした。お店で「安全な塩、おいしい塩は何ですか」という質問は多いので、聞かれるたびに調べ直しをしています。調べるたびに、新しい塩の社会問題がでてきます、今は塩にマイクロプラスチックが含まれている、という悲しい環境問題です。
海が汚染されているから海塩が危険、だから岩塩がいいだろう、と言うのは素人の見解です。塩の製造過程では古代からある岩塩も湖塩も製造するときに「濃縮、溶解」の工程で、現在の水か海水を使います。また世界は天候や天災や人災を通して繋がっています。環境問題の勉強を続けていれば、安全な場所などないことがわかります。たとえば、化学物質が最後に集まる場所が北極圏で地球の民族の中で、体内汚染が高いのは北極圏のイヌイットです。イヌイットは残留性有機汚染物質の代表であるポリ塩化ビフェニルが、血液中濃度が高いことが調査でわかっています。
参考:境科学会「地球をめぐる不都合な物質」p20~48 2019.6.
塩は地球に存在する物質ですので、一部の塩だけが安全ということがないのです。毎日使う塩、塩の製造方法を知ることが塩を選ぶ知識になります。
日本人が毎日食べる味噌と醤油も同じで、原材料と製造方法と天然菌を知らなければ、「安全でおいしい味噌と醤油」の選び方を知ることができないです。
おいしさと安全のキーワードは、「手間がかかる方法」。食の原材料である農作物も、調味料も全ての「食」について「安全でおいしい」を探求すると「手間がかかる」という所にいきつきます。
塩の場合、「安全でおいしい」は結局価格になります。高い塩は製造工程で手間がかかっているものになります。
「結晶」という工程では、「天日結晶」と「釜焚結晶」があります。「天日結晶」は燃料が要らない、「釜焚結晶」は天候に左右されにくいという特徴があります。工程は基本的に大きく違いますが、結晶させる温度も違います。天日で塩が出来る地域では「天日結晶」で行います。日本のような多湿の気候では「釜焚結晶」が行われてきました。沖縄も含めて日本での「天日結晶」は、温室などの設備が必要となります。
これらの工程を見学できる所は結構ありますから、機会があれば現場を見に行くことをおすすめします。
「原料」→「濃縮・溶解」→「結晶」→「食べられる塩」が深く理解できることでしょう。これらの工程の説明をわかりやすく人に説明をできないのに「海塩がよいのだ、岩塩がよいのだ」という人がいます。本当に塩のことをわかっている人は、原料より先に工程のお話をされます。海の精さんに何度か「塩の工程」について質問していますが、理解しやすく教えて下さいますので「流石、お塩屋さん」と感心しています。
4年ぶりに塩について詳しく調べましたが、4年間で資料の助けとなったのは環境問題についての知識から塩を知ることでした。私は化学物質に昔から弱く、15年前よりは改善していますが「化学物質過敏症」という診断をされています。そのため3年前から「浜松化学物質の会」を作ったことから、化学物質についての本をよく読むようになりました。化学物質を調べていると環境問題に深く関係あることは間違えのないことです。私が働いている仕事の現場である「オーガニック=食」の問題と同じ範囲であることもわかってきました。
そういうことを踏まえて、買いやすい価格の範囲内で進められる「塩」をオーガニックたま屋では販売していますので、安心して選んで下さい。
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