
安全な農作物の記事は久ぶりです。
きっかけになるショックな事件が数回続けてあり、また「安全な農作物」について、栽培者と販売者の2023年10月の現状について伝えたくなりました。

長年たま屋とお付き合いして下さっているお客様が自然栽培の意味を理解されていなかったことがわかり、ショックを受けたこと。
また、気軽な家庭菜園をスタートされて、ホームセンターの化学肥料入りの土と苗を買い、農薬と肥料をやらなければよいのだ、と思われて栽培されている方がいたこと。
それも、住宅密集地に住まれて近所の香害に苦しんでいる環境の中ですからショックです。
香害の原料のマイクロカプセルは、屋外のあらゆる場所に接着剤のように貼りついていて地面でも確認されています。
香害がなくならない限り、住宅密集地での農作物の栽培は注意が必要です。
ブログ記事を読んだ人から、ボックス野菜を頼むので農園を教えて、と命令調で電話がかかってくることがあります。
店舗の利用者の方ではありませんが、農園の紹介の対応はしていません。
たま屋の取引先の農園では個人客に販売していない所がほとんどです。
栽培者の人間関係の間だけで市内の人にボックス野菜を配送している人もいるかもしれませんが、小さな農園の取引先が多く一家庭で食べるため多種類取り揃えることができる所はありません。
定期的に納品ができる所、自然栽培の果物は年に数回しか仕入れない所もあります。
たま屋では、市内・市外・県外と数ケ所から仕入れていますので、そのため送料や手間がかかっています。
たま屋の野菜は旬のものだけ。
数ケ所から仕入れていますが種類も少ないので、大変そうには見えないかもしれませんね。
真冬に「安全なキュウリありませんか」、真夏に「新鮮で安全な大根がありませんか」
と電話で聞かれますが、スーパーマーケットで生活していると旬の野菜がわからなくなっているのですね。
お店の常連様ではこのようなことを聞く人はいないので、毎週通っていると旬の野菜は覚えることができている様子です。
私もこの仕事をスタートしたばかりの時は、旬の野菜がわかりませんでした。
難しい自然栽培を栽培されているのに利益がないという現実は厳しいです。
販売店も同じく、自然食品店の経営だけでは生活ができないということが現実です。
12年前も現在も売れ行きが伸びないので、その延長が続いています。
自然栽培の栽培者と自然食品の利用が伸びていくことが理想ですが、未だに実現できていません。
自然栽培に限りませんが、農業だけで生活ができない社会システムはおかしいですね。
安全な食品を求めている人が増えていると言いますが、遺伝子組み換えやゲノム編集、食品添加物や農薬を摂りたくない、と言いながらスーパーマーケットを利用されています。
多くの人がフードシステムの基本がわかっていないから、矛盾した利用になるのです。
スーパーマーケットは大量生産です、多くの人を飢えさせないために遺伝子組み換えやゲノム編集や食品添加物や農薬や化学肥料を使っているのです。
それらを避けたかったら、極小規模の自然食品店を利用する方法になります。
このような大切なこともかつて、メディアが取り上げたことがありません。
大量生産のメーカーにとって都合の悪い事は、表にでません。
安全な野菜を選ぶための、3つの問題
農薬/農薬の人体と環境への有害性を知ること
化学肥料、その他肥料/肥料の種類を知ること
タネ/自家採取(固定種や在来種)とF1の違いを知ること
この3つをまず勉強しなければ、安全な野菜を選ぶことはできません。
3つを知るのには最低3冊の本を読む必要があります。
SNSやブログで検索して理解できるような簡単な内容ではありません。
本が苦手でしたら、自然栽培の講習を受けるとよいですね。
参考:木村-黒田純子『地球を脅かす化学物質』、水野玲子『知らずに食べていませんか? ネオニコチノイド 』、天笠啓祐『ゲノム操作・遺伝子組み換え食品入門』、河名秀郎『ほんとうの野菜は緑が薄い』、野口勲『タネが危ない』など
間違える方が多いのですが「自然農法」とは違います。
自然農法の方が栽培されている方の方法が広いです、草は一切抜かない、植物系の肥料は品種により使う、などなどイロイロです。
自然農法の方も自然栽培と同じく、農薬や化学肥料を使わない、という点では共通していますが、品種により肥料を使うF1を利用する、耕さない、など取り入れる点に違いがあります。
自然栽培は一般的には耕す、雑草はほとんどとる、肥料は使わない、等、自然農法と違いがあります。
自然栽培が広がってきたことから自然栽培に挑戦する人も増えました。しかし栽培方法を詳しく聞くと、自然栽培ではなかった、ということもあります。
お聞きすると自然農法だったり、実際は無農薬栽培だったり、します。
そのような経験から結論とし、私は必ず3つのこと聞いて、さらにお話を詰めていくようにしています。
すると「お師匠さん、栽培の経緯、仕事への誠意」などがわかってくるので、お店で必要とする農作物かどうか、が読めてきます。
自然栽培は大量生産ができませんから、やはり栽培者との会話が全てです。

何度もデザインを変えてきた「たま屋の自然栽培シール」です。
小さな農園では放射能検査はしていないので、一番上の「放射能検査済」をカットして野菜に貼り付けています。
お店のお客様はガン、化学物質過敏症、アトピー性皮膚炎、などの方がいます。
私もまた化学物質過敏症と電磁波過敏症ですから、農作物選びは真剣になります。
最近続けて農業をやったことがない方が「自然栽培や自然農法の野菜を作っている人が近くにいないし高いから自分で作る」という方がいましたが、買った方が安いです。
自然栽培の農園にも2ケ所確認しましたが、難しい栽培方法なので失敗も多いため買った方が断然お得ですよ、とのことでした。
農作物の栽培方法を知らない人に限って、このような驚くことを簡単に言われるものです。
さらに驚くことは住宅密集地に住む自宅の庭が広いのでそこに植える、またはプランターで植える、と言われるという方もいて驚きます。
少量を楽しむ程度で、室内プランターであればよいですが。
1人分であっても主食とする野菜の栽培を屋外で、現在の環境汚染の中では不可能です。
理由
1.住宅密集地では、合成洗剤や柔軟剤や消臭剤などの原材料であるマイクロカプセルや、生活用品の化学物質がが地上に落ちていることが研究者により確認されています。マイクロカプセルは有害化学物質とマイクロプラスチックの汚染、これらが家庭菜園の肥料になってしまいます。毒ですから害虫はつかないという利点はあるかもしれませんが。食物連鎖で有害化学物質やプラスチックを食べるになります。
2.家庭菜園に植える土、固定種や在来種のタネが手に入りにくい。80万人口の浜松市でさえも1件しかありません。通販で買う方法がありますが、栽培量で計算すると、送料もかかり土とタネで割高となります。また自然栽培は、農薬と化学肥料とF1を使う慣行栽培と比較すると、失敗が多くなります。
質問する人にも野菜の栽培方法を熟知しないと聞くことできませんから、安全でおいしい野菜選びは簡単なことではありません。
難しい自然栽培の野菜が買いたいのであれば、浜松市内ではたま屋だけになります。
多種類の自然栽培の農作物をネットで選んで買うのであれば、ナチュラルハーモニーなどになりますがF1を避けたい方はボックス野菜はやめて、単品で選ぶなどの知識も必要となります。
野菜の栽培方法は基本中の基本ですから、どのような栽培方法があるのかを知らなければ、質問はできませんね。
前置きがずいぶん長くなってしまいました。

今回は、地元浜松市周辺にて無農薬・無肥料・自家採取(以下自然栽培)で農作物を栽培している働き者の雅子さんの畑を尋ねました。
ご夫婦で仲良く自然栽培で粘り15年以上、地元の自然栽培の農家としてはたま屋で一番長期に渡り納品して下さっています。
たま屋ではこの12年間、スタートして3年以上経過している農家であれば取引しています。
自然栽培は全体の1%以下、残念ながら難しいことからほとんどの方が断念されています。
今までで3ケ所位がやめられています。

雅子さんに、草も生えていなかった砂地を開拓した自然栽培の畑に連れて行ってもらいました。
10年目ともなると人参、大根、落花生(希少なタネだそう)が栽培できています。
微生物と植物の力で土が豊かになったそうです。
しかし最近でも夏に大根のタネを植えましたが、気候変動からうまくいかずに植えなおしがあったそうです。

先に植えてうまくいった大根の葉。


植えなおした次の芽、砂地であることがわかる画像です。
人参は砂地だと肌がきれで、土が乾燥していてもキレイに抜けます。

この日、雅子さんは人参の抜き菜作業、私は何も手伝わず写真撮り。


落花生、人参と大根の抜き菜、をもらいました。


落花生の葉。



サツマイモの葉。
最近は葉物がなく、ズッと食べていなかったのでありがたかったです。
人参の葉はクセがなく、人参の根は濃い人参の味がしました。


お天気は小雨、私のアート作品のテーマである「水滴」がキラキラきれいでした。




雅子さんの自然栽培の畑は全部で10ケ所あり、作物により土が合う場所、連作できない状況、などから。
私は2~3ケ所に分けているのか、と想像していたので、過酷な現実は現場に来たからこそ理解ができてよかったです。
農薬の有害性については取り上げたテレビ番組があるそうですが、私は見ていませんので事実が正確に伝えられたのかどうかまでわかりません。
フードシステムのこと、遺伝子組み換え、ゲノム編集、について、テレビ番組で取り上げてもらえる日がくるとよいです。
農作物の農法の種類について
野菜の選び方の基本は「農薬・化学肥料・遺伝子組み換えの種」でない野菜を求める事、さらに放射能検査済であればなおよい
■自然栽培■
無農薬・無肥料・自家採取の種。人間にも地球にも安全な未来の栽培方法。生命力のある野菜で、日持ちがよいのですが、栽培者が少ないため希少。たま屋で、取り扱っている。
■自然農法■
不耕起・不除草・無農薬・無肥料。種は書いていない場合は聞かないとわからない。栽培者により、肥料を与えることもある。炭素循環農法(肥料使用)をさすこともあるため、栽培者に「農薬・肥料・種」について質問するとよい。
■有機栽培■
化学肥料・化学農薬を使用しないが肥料は使っている。種は書いていない場合は聞かないとわからない。無農薬のみをさしたり、広い意味をもつ。有機JASマークがあるものは、約21種類以上の安全な農薬が許可されているため、無農薬ではない。有機JASマークがあり「無農薬」と書いてあれば農薬は使っていないという意味になる。
■慣行栽培(一般栽培)■
農薬・化学肥料・遺伝子組み換えの種、でつくられた量産の農作物。
浜松市内では、マーケット・朝市・ファーマーズマーケットなどでどこでもいつでも手に入る。
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オーガニック食品を扱うお店のため、強い香料の洗剤・洗浄剤・消臭剤・香水を利用されている方はご遠慮願います。
オーガニックたま屋定休日:火・水曜日
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