
今年3月に発がん物質の食品添加物「臭素酸カリウム(しゅうそさんカリウム)」をヤマザキパンが食パン超芳醇に使うことを、堂々と発表しました。
『ヤマザキパンはなぜカビないか』という本が好評のため、自然派・安全志向とは真逆方向を目指す心意気を感じます。
気になっていたことでしたが3月からのコロナ禍で、調べるのが遅くなってしまいました。食品添加物の記事は200以上書いてきましたが「食べてよい添加物などない」という明確な答えが出てからはほとんど書かなくなりましたので、添加物の記事は何年ぶりかです。
調べてみた結果、ヤマザキパンの食品添加物によるおいしさの追求の熱い思いがよくわかりました。
私が働くオーガニックの概念の世界観とは大きくかけ離れています。大量生産を提供する大企業の経営方針に触れること、それは異文化に触れているような驚きです。
結論からですが「おいしくなるのであれば世間で不評の食品添加物でも使う、ということがヤマザキの方針」ということでした。食品添加物を使うことによりパンがおいしくなる、という科学の根拠を大切にしている、ということです。
臭素酸カリウムは1953年から使われるようになりましたが、1970年代に発がん性があるといわれて一部のパン屋さん(大企業・小規模)では使われなくなりました。
ヤマザキパンは長年使い続けていましたが2014年になってから国内の食品添加物製造会社が作るのをやめたため臭素酸カリウムの使用をお休みしていた、ということです。
食品添加物に舌が慣れている日本人のおいしさに答えるためパンの研究を続けた結果が臭素酸カリウムの再使用ということです。
私のように「食品添加物や農薬を食べると体が反応する」という少数派について、ヤマザキパンは存在すらも知らないことでしょう。日本の大多数を対象に「添加物のおいしさを追求する会社」ですね。
科学ジャーナリストがヤマザキパンの生産統括本部長に質問したところ
「発酵が十分に効いて、しっとり香りのよいパンを客に届けたい。そのための努力を重ねるのみ」
「科学的根拠に裏付けられたこと以上に強いものはない」
ということを貫く考え方でした。
つまり一般人の添加物に慣れた舌の「おいしい」という要望に応える、ということです。
参考:松永和紀 「ヤマザキ」が“発がん物質”臭素酸カリウムの使用をわざわざ再開する理由
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18937?page=4
原材料名が書かれた表示には臭素酸カリウムの食品添加物名は書いてありません。臭素酸カリウムは加工助剤として使われ最終製品には残留しないため、表示が免除されているからです。HPに使用の理由などが情報提供されています。
発がん物質の食品添加物である臭素酸カリウムは、同じような効果を持つ食品添加物のビタミンCや酵素製剤よりも価格が高いそう。
臭素酸カリウム(食品添加物)について
パン生地改良剤(製パン改良剤)あるいは小麦粉処理剤と呼ばれる食品添加物。パンを焼く時の生地に臭素酸カリウムを添加すると、小麦粉のたんぱく質に効果的に作用し、パンの品質(膨らみ方や食感)が向上する
日本では厚労省(厚生省)が「使っても、残っていなければよい」としていますので、条件付きで認めている食品添加物です。アメリカでは安全使用量規定で認められています。EUでは1994年に「特定危険物質の販売・使用制限に関する理事会指令」の別表の発がん性物質のリストに臭素酸カリウムが掲載されました。そしてEU加盟国のほとんどは1997年までに使用を禁止。南米と中国では禁止。
参考:内閣府食品安全委員会ファクトシート「臭素酸カリウム」(2007年)
画像:https://www.yamazakipan.co.jp/brand/chohojun/index.html
食品添加物・薬・砂糖・農薬についての記事
食品添加物・薬・砂糖・農薬1.
食品添加物・薬・砂糖・農薬2.
食品添加物・薬・砂糖・農薬3.
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