三島由紀夫没後50年「渥美饒児のコレクション展」

2010tamaya

2021年02月14日 13:21



三島由紀夫コレクション展、最終日の本日に仕事前の朝時間「45分間」を利用してみてきました。

私の知っている三島由紀夫(1925~1970)というと、
『潮騒』の本と映画、憲法をめぐる割腹自決、美輪明宏の語る三島、の3つ。
三島というと激しく重い印象で敬遠していましたが、今回の展示で新たな知識を得て印象が変わりました。




展示室に流れていた25分間のDVDが「三島の生き方」を知るのにうまくまとまめられていたので、その後に展示の理解がしやすかったです。
個人の芸術学的な視点になりますが、日々の私の思考の原点にある「美意識」を刺激されました。
美術史において好きなアートの時代はルネッサンスとロココ時代ですが、三島がビクトリア調コロニアル様式の邸宅に住んでいたという美意識の強さ。
ここで共通した美への意識があったことを知り身近に感じました。

そして三島のコンプレックスの数々が、展示会で見え隠れしていて「人としての三島」に触れ安心しました。
死に対する一つの考えに、満足を得ている今(美しいとき)消えたい、という思い。
貧弱な体型であったが、体を鍛えて自信をつけたことによる変化。
(これについては美輪明宏さんが、三島の死への準備の一つにあったことを伝えていました。)
私自身がコンプレックスの塊で苦しいことが多い、コンプレックスを何年もかけて克服していますが未だなくならない。
何か一つコンプレックスをクリアしたところで消えることができたら精神的に楽だろう、ということはよく考えます。



三島の名言で本日響いた文章は、
「まことに人生はままならないもので、生きている人間は多かれ少なかれ喜劇的である。」
「精神を凌駕(りょうが)することができるのは、習慣という怪物なのだ」




現在の防衛省を訪れ自殺したときの演説の内容が下記のような内容であったことを、展示ではじめて知りました。

いま日本人がだ、ここでもって立ち上がらなければ、自衛隊が立ち上がらなきゃ、憲法改正ってものはないんだよ。諸君は永遠にだねえ、ただのアメリカの軍隊になってしまうんだぞ。
中略
どうして自分の否定する憲法にだね、自分らを否定する憲法というものにペコペコするんだよ。これがある限り、諸君てものは永久に救われんのだぞ。

クーデターを促すような行動だった。今のアメリカとの関係、50年前に三島が演説していた通り永久に救われないことになっていますね。
50年前、私は小学生でしたので三島の割腹事件を知ったのはずっと後のこと。
この時代に学生だった人たちにとっては衝撃的な事件だったのですね。

一個人の視点の一言で三島の生き方を表現するのであれば、「教養」の美しさと生きにくさを感じさせられました。



渥美さんの今までの本の原稿などの展示もありました。
本日最終日ですが、展示会の機会を逃しても渥美さんの1日講座「三島由紀夫を語る」が3/28あるそうです。










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