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厚労省の研究報告書（pdf）で、化学物質への反応と中枢性感作症候群（CSS）との間に何らかの関連がある可能性が明らかに示されました。
化学物質過敏症は中枢性感作症候群（CSS）に含まれます。

2023年7/19が公開日になっている化学物質過敏症が含まれる研究論文によるものです。
去年の暮れに1～2回読みましたが、本日再度確認をしました。

補助金855.2万円、研究報告書は「分担研究報告書」12名のpdf、「総括研究報告書」1名のpdfにまとめられています。

「種々の症状を呈する難治性疾患における中枢神経感作の役割の解明と患者ケアの向上を目指した複数疾患領域統合多施設共同疫学研究」←クリックで開きます

「総括研究報告書」1名の「種々の症状を呈する難治性疾患における中枢神経感作の役割の解明と患者ケアの向上を目指した複数疾患領域統合多施設共同疫学研究/獨協医科大学　小橋元」、
「分担研究報告書」12名タイトルに化学物質過敏症が含まれているタイトルの研究3名分の
「心療内科における化学物質過敏症を含む中枢性感作症候群のスクリーニングと 病状および臨床転帰に関連する要因の検討/東邦大学　端詰勝敬」
「化学物質過敏症候群患者の中枢感作検証/千葉大学　坂部貢 」
「一般住民、神経性患者及び化学物質過敏症・電磁波過敏症患者における 中枢神経感作と化学物質反応に関する検討：多施設共同疫学研究/獨協医科大学　春山　康夫 」
以上の4本を読みました。

化学物質過敏症（以下CS）の団体から以前アンケート用紙を受けていましたが、〆切を忘れていて私は提出していません。

データは2020年～2023年にかけて地域の一般住民群、患者集団群及び化学物質・電磁波過敏症患者または患者会メンバー群、4992人分です。

CSは中枢性感作症候群（CSS）に含まれています。
研究者により「中枢神経感作」と書かれていますが、医療関係者の梅子様に確認しましたが「中枢性感作症候群（CSS）」と同じ意味として理解してよいとのことでした。

CSの他には「頭痛、慢性疼痛、うつ病、不安発作もしくはパニック発作、過敏性腸症候群、アレルギー疾患、 シックハウス症候群、その他の環境過敏症（電磁波、低周波音など物理的要因）、更年期障害、 脳脊髄液減少症、筋線維痛、慢性疲労症候群」がありCSに高い確率で合併するとされていました。
この共同研究はその上で進められているようです。

ＣＳをアレルギーのカテゴリーで認識されていることが多いのですが、この研究では中枢性感作症候群とされています。
この発表を踏まえて「今後はCSはアレルギー疾患ではありません、アレルギー疾患と同じ中枢性感作症候群に含まれます」とはっきり伝えるようにしていきます。

中枢性感作症候群とは、様々な身体症状や精神症状が引き起こされる病態を言います。
それをベースとして考察されている研究ですが、私個人の経験や店舗のお客様のデータと重なることもなくはない。

研究報告書（pdf）
結果は長いので個々で読んで頂き省略して、考察は、
今回の検討結果からCSI-J尺度は集約改良できる可能性がある。CSSの有病率や得点が化学物質・電磁波過敏症患者、患者会メンバー群で高かったことは、CSSが化学物質・電磁波過敏症と関連する可能性を示唆している。
化学物質過敏症状の発症契機は、約70％が柔軟剤、洗剤、除菌剤等に含まれる香料の香りであるといわれている。最新の研究では、有訴者では前頭前野の活動が高く、大脳辺縁系を構成する神経核群のネットワークについても同様の傾向が見られるとの報告がある。
今後は本疫学調査をさらに拡大して行い、化学物質・電磁波過敏症とCSSとの因果関係を明らかにしていく必要がある。
CSSの診断には、現在の「症状の単純な足し算スコア」だけでは難しく、「化学物質曝露や電磁波曝露、過去の逆境的体験、現在受けているソーシャルサポート等も簡易・定量的に把握し、縦断調査の中で介入や曝露状況による症状の変化を確かめる」方向で、更なる研究を行う必要があると考えられた。

結論は、
新規開発した調査票を用いた多施設共同前方視調査を行い、CSI-Jは改良が可能と考えられた。また、化学物質への反応と中枢性感作症候群（CSS）との間に何らかの関連がある可能性が示唆された。
となっています。

この研究報告書により、今後CSへの治療方法が変わってくるのかどうか、ということが気になります。
中枢性感作症候群（CSS）の症状を緩和させるのに、今まで通りに急性には解毒剤など、長期においては環境と食に化学物質に関わらないように整えるのか。

研究者により中枢性感作症候群（CSS）を心療内科領域で扱う領域、という表現があったことも気になります。（東邦大学医学部の端詰勝敬先生)

また、中枢性感作症候群（CSS）は睡眠障害を併発しやすい、悪夢症状との関連性について調査した結果、中枢性感作や年齢といった因子に加え、化学物質過敏症の既往歴や精神症状が影響する可能性がある、と。
化学物質を曝露してストレスの高い状況にあった時に、私は過労で昼寝をした時に幻聴らしい体験を受けたことがあり、そのことを思い出しました。
CSの症状として、ブログ記事に書いたことがあります。
曖昧模糊と津軽三味線　←クリックで開きます

論文の内容ですので難しいですが、これにてCSは中枢性感作症候群（中枢神経感作）であることが明確にされた、という印象を受けました。

人はより自然が多い所で過ごす時間を多くすべきであり、現代人はそのような時間を失っています。
現代病で苦しむ多くの人は、不自然な生活用品や環境と汚染された食生活の中にいます。
現代病の一つであるCSの原因はそこにあると思います。

徹底して化学物質を避けた食生活、有酸素運動などの軽い運動習慣を持つこと。
それにより症状が楽になっていくことは実証できているので、今後もその方法をすすめていきます。

CSは中枢性感作症候群（CSS）に入ることから、症状を抑えるために化学物質である薬（リリカ、タリージェ）が使われる流れになると、今度は薬の解毒に体が苦しみます。
根本的な解決ではなく、いまあるニオイという痛みを抑えるだけです。

ＣＳ発症の原因の約70％が柔軟剤、洗剤、除菌剤等に含まれる香料の香りであること、原因の一つとしてこの論文に書かれています。
CSの原因の一つであるこれらマイクロカプセルの製造をやめることは、研究報告に含まれていることは確かなことです。

石川哲先生や宮田幹夫先生が、CSの研究・臨床で尽力されてきた流れとは違う方向に見えました。
私個人の感想ですが、この研究報告書について皆さんはどのようにお考えでしょうか。

ブログ記事　化学物質過敏症1.
ブログ記事　化学物質過敏症2.



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