Boyan Slat(ボヤン・スラット)
結論からです、マイクロプラスチックの7つの事実。
1.マイクロプラスチックが海に入る2大原因は、合成繊維の衣類が洗濯によりはがれ落ちた布、陸と海の交通社会で落ちた塗装等、であること。
2.マイクロプラスチックを減らすには、レジ袋有料より、体にも環境にもよいコットン衣類を進めた方が効果があった。
3.アジア諸国はプラスチックの使用量が多い、つまり海にも多く入ることになる。
4.南極、北極、深海魚、水道水、ミネラルウォーター、魚介類、食塩、砂糖、はちみつ、ビール、にマイクロプラスチックがある。
5.現在日本ではプラスチックの再処理はされていない。
6.プラスチックによる健康被害は現代病になること。
7.食品の加工があると、プラスチックが入る。
店主は2019年に枝廣淳子さんの『プラスチック汚染とは何か』を読んでからは、暖かくて軽くて便利なフリースを捨て、合成繊維を着るのをやめました。この2つはプラスチック汚染を防ぐために個人でできることだからです。しかし日本がプラスチックゴミを減らす目的でやったことはレジ袋有料化義務化でしたね。それより「フリース製造中止、合成繊維はアスリートなどのみの許可制」にした方が効果はかなり効果が高かったのに残念です。巨大衣料業界に負荷をかけることをしないということは、癒着関係があるのかもしれません。
私は毛糸のセーターを着るとアレルギーが出るため、重いコットン100%の厚手のセーターを着ています。「コットンセーター重い、暖かさはイマイチ」と文句をいいつつ、フリースがなかった頃はこんなものだったことを思い出して2019年以降は、毎日コットン生活を楽しんでいます。今までもコットンばかり利用していますが、『プラスチック汚染とは何か』を読んでからはコットン100%の衣類を買っています。以前買ったコットン90%ポリエステル10%などは、使えなくなったら捨てているので、数年後には衣類は全てコットン100%になることでしょう。
日本ではプラスチックのリサイクル処理はされていない
市の指定に沿い毎週プラスチックごみを分別して出しているのに、ほとんどが焼却か埋め立てによる処理をしています。
店主は遠州灘の散歩を2017年からスタートしましたが、砂浜に年々プラスチックごみが増え続けていることを見ています。天災が起きた後などは、私一人が拾っても意味がないほどの泣きたくなるような量のプラスチックごみが砂浜に溢れています。サーファーも釣り人も拾う人は誰もいません、プラスチックごみは海と砂浜にプラスされた風景として誰もが受け入れているのが現状です。
沿岸に埋め立てたプラスチックごみは、結局は海に捨てられていることになるのです。やがて海面を漂い波や天候や鳥や魚に砕かれてマイクロプラスチックになったり、海洋を漂流するプラスチックごみはぐるぐると回り海流の大きなループに入りプラスチックごみのたまり続ける場所に入ったりします。有名なのがカリフォルニア州沖合にある「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」です。最終的には94%が海底に蓄積する(調査/ユーノミア・アンド・コンサルティング社2016)そうです。
日本は年に150万トンのプラスチックごみを中国(50%)とアジア諸国(50%)に輸出していました。しかし、2017年に中国政府が廃プラスチックの輸入禁止、2018年タイ政府やマレーシア政府も輸入制限を始めたことからプラスチックごみの行き場がなくなったのです。この状況から日本がやったことは、誰もが知っているレジ袋有料化義務化。その他リサイクルやリユースする戦略案を出しているが2030年までにやる、という理想論を出していますが誰もが知っているように進んでいません。
太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)
マイクロプラスチック陸上発生源7つ
1.合成繊維
家庭用洗濯機で洗濯するたびにポリエステル、ポリエチレン、アクリルなどの合成繊維がはがれ落ちて下水に入り、最終的に海に入る。近年利用者が増えたフリースは特に繊維が流出している。
2.タイヤ
タイヤは天然ゴム100%でできているのではなく、スチレンブタジエンゴムという合成ポリマーが60%、その他は添加物と天然ゴムで作られている。自動車が走行するときにタイヤが剥がれ落ちる、その破片が最終的に海洋に入る。
3.道路の路面標示
ドライバーであれば、車線や交通標識などの塗装が薄くなって塗り直す作業を見たことがあることでしょう。これらの塗料は車両により摩擦でとれて最終的には海に流出される。
4.船舶用塗装
船舶用塗料の多くにポリウレタン、エポキシ樹脂、ビニール、ラッカー等のプラスチックが使われている。船の使用中に海流に入る。
5.パーソナルケア製品
化粧品のスクラブビーズ、洗顔料や歯磨き粉のスクラブビーズ、工業用研磨剤、など。下水に入り最終的に海へ。
6.プラスチックペレット
多くのプラスチック製品は、製造時に原料として直径2~5mmのプラチックペレットやパウダーを使う。製造・加工・輸送・リサイクルの時にこれらが環境中に流出することがある。
7.都市部のちり
合成繊維の靴底、プラスチック製調理器具(まな板・ボールほか)の摩擦したかけら、ちり・ホコリ、人工芝、建物の塗装のはがれたもの。都会人口によるこれらの何気ないものも個々には微量でも合わせると非常に多くのマイクロプラスチックになる。
(文献調査/国際自然保護連合IUCN、2017)
マイクロプラスチック海洋発生源4つ
1.漁網や漁具が波にさらわれたり捨てられたりして、海中に残るもの
2.ボートや船の利用者が捨てたプラごみ
3.大型クルーズ船からの汚水・プラごみ
4.輸送船からの汚水・プラごみ
プラスチックごみを流している国
1位 中国(353万トン)
2位 インドネシア(129万トン)
3位 フィリピン(75万トン)
4位 ベトナム(73万トン)
5位 スリランカ(64万トン)
6位 タイ(41万トン)
7位 マレーシア(37万トン)
8位 北朝鮮(12万トン)
20位 アメリカ(11万トン)
30位 日本(6万トン)
(2010年に陸上から海洋流出したプラスチックごみをジャムベックらの研究者が調査。)
プラスチックごみを沢山出しているということは、海水汚染も進んでいる国ということですね。
自然界や深海魚にもプラスチック
マイクロプラスチックが北極や南極の海水にも存在しており、北大西洋の深海魚233尾を調べたら全体の73%からマイクロプラスチックが見つかった。(アイルランド国立大学の研究)
国により魚介類に入っているプラスチックの種類が違う
インドネシア市場の魚介類の55%にマイクロプラスチック、アメリカ市場の魚介類の67%には合成繊維のマイクロプラスチックが見つかった。(カリフォルニア大学の調査2015)
生の貝より調理済や冷凍のものに多くのプラスチック
イギリス8ケ所の沿岸で収集したムール貝と、8社8軒のスーパーで購入したムール貝を調べたら、100%のムール貝にマイクロプラスチックが見つかった。スーパーのムール貝には、生より調理済や冷凍のものに多くのマイクロプラスチックが入っていた。プラスチックの種類はレーヨン合成繊維が37%。(ブルネル大学とハル大学の研究2018)食品を調理加工する時に、空気中に含まれる埃などに合成繊維などが舞っていて入るということ。
ペットボトルにもプラスチック
水道水、魚介類、食塩、砂糖、はちみつ、ビールにマイクロプラスチックが入っていることが発表されている。水道水では81%、世界上位ブランド11社のペットボトル93%にもマイクロプラスチックが確認されている。これらプラスチックの大半は合成繊維だった。(ミネソタ大学研究2018)
プラスチック製品による動物の健康被害
研究者によると、食物連鎖によるマイクロプラスチックや日常生活で触れているプラスチック製品(缶詰食品の容器、哺乳瓶、水のペットボトル)による合成化学物質は、アメリカ市民の90%以上の血中に存在しているとのこと。がんのリスク増大、精子の質の低下、肥満などを含む内分泌・代謝障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経行動障害、等を引き起こす。
参考記事:
環境問題・プラスチック汚染
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